港湾都市リヴァプールのFACTで新しいフェスティバル開催

2009.5.25

ここ最近は立て続けに、参加を打診しているアーティストとの打ち合わせやコンペの告知などを兼ねて海外出張にでていました。なかでもリヴァプールにあるアートセンターFACTは、1Fと2Fにギャラリー、さらに3Fは映画館が3スクリーンもあり、映画やメディアアートに力をいれ近年注目される活動を展開している施設です。オフィスをおとずれても、あちこちにアーティストや関係者が行き交い、現場と密接な活動を持つ活発な雰囲気があふれています。

ここが今年の9月から新しいフェスティバルをはじめるので、ヨコハマ国際映像祭と提携したいといきなりミーティングの冒頭で言われました。Abandon Normal Devicesという挑発的な名称で、先日終了しましたがコンペも実施していて、そろそろ詳細もアナウンスされると思います。 ディレクターのMike StubbsはメルボルンのAustralian Center for Moving Imageに彼がいた頃からの知り合いなので挨拶やリサーチのつもりで訪れたので、予定以上に互いの関わりあいを議論することになりました。まだ、詳しいことは書けませんが、提携するプログラムを実施したいと思っています。 イギリスは、90年代とうってかわってすっかり従来のアートの範囲におさまらないデジタルテクノロジーや映像技術と関わる新しい表現を後押しする施設や研究所、展覧会が増えています。British Film InstituteやTate Modernなどの大きな施設も映画とアートなどの分野がクロスオーバーする動向を探り、またシンポジウムなどで議論を積み重ねていく機会も多く、関係者と会っても刺激的な話はつきません。いつでもリサーチで海外に出ると痛感されるのは、過去から現在までを網羅する作品のアーカイヴとそれに精通する人材がいる場所には、どんどん情報が蓄積されていく場所になっていくのですが、日本にそういう場所はあるのだろうか、ということです。そこには、文化的な遺産を残すという倫理的な判断のみではなく、情報収集やネットワークの構築という戦略性とそうすることで文化的な中心地であり続けることができる合理性とが働いていると思います。

現代の芸術の持つ大きな可能性のひとつは、個人的、あるいは地域性の強い表現が、それぞれの地域で経済や政治的にマイナーな領域に押しやられていたとしても、脱領域的な広がりのなかで共感を呼び起こす可能性を持つことです。ヨコハマ国際映像祭もそうした機会のひとつになるようにしたいですね。

(住友)

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