浅井隆
(アップリンク社長・プロデューサー・webDICE編集長)
近日掲載予定
欧寧 [オウ・ニン]
(映像作家、アートディレクター、評論家)
近日掲載予定
四方幸子
(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]特別学芸員、東京造形大学特任教授、多摩美術大学客員教授)
審査会は、かつてないほど広い範囲の表現を前に、異なるスタンスをもつ審査員が忌憚なく意見をぶつけあう場となった。その結果大賞に選ばれた『VOICE-PORTRAIT~self-introduction~』は、各ジャンルの映像コンペでは入賞しにくい境界領域的なものであり、そのこと自体がノンジャンルのこのコンペの大きな成果、そしてメッセージとなりえたように思う。
この作品は、面白いことに審査のプロセスの中でじょじょに浮上してきた。それは審査員が、多様な表現の只中で、新たな映像をめぐる問題系——答えはないものの——に直面し、格闘したことを物語っている。
各ジャンルにおける表現の成熟か、複数の映像を連結していくメディアの横断性か。方法論かコンテンツか。自覚的な批評性か、未分化ながら創造的なメディアの扱いか‥。交わされる意見は、現代の情報環境における作家性や作品のあり方にまで多岐に及んだ。
個人的には、作家性よりもシステム、コンセプトをベースにしたメディア横断的表現に期待して臨んだが、その中で今後のメディアや映像に新たな投げかけを行なう大賞作をはじめ、多くの優れた映像表現に出会うことができた。それを可能にしてくれた第一審査員、ともに時間を過ごした最終審査員とCREAMのチーム、そして応募してくれた皆さんに感謝している。
STUBBS, Mike[スタッブス・マイク]
(アーティスト、FACT [Foundation for Art and Creative Technology]ディレクター)
近日掲載
諏訪敦彦 審査委員長
(映画監督、東京造形大学学長)
映画祭でも現代美術展でもないノンジャンルの新しい映像祭のコンペティションという事で、分類不能の新しい映像表現との出会いを期待して審査に望んだ。
審査員も多彩な顔ぶれであったが、集まった作品の多様さをどのような基準で審査するのかについて、混迷する議論を繰り返さなければならなかった。しかしその困難は、同時に映像表現の新しい局面へのはじまりであったと感じる。
一次審査を通過した作品には『HAND SOAP』や、『...niland1』といった、個人の映像表現を高度に達成したものもあり高い評価を得たが、どのジャンルにも属さず、従来の映像表現の新しいあり方を問いかけるような、あるいは我々の太刀打ちできない未知の領域に踏み出すような作品は、少なかったと感じる。フィクション映画の領域から切り込んでくる作品が少なかったのも残念であった。そのような未知の表現に、審査に携わった我々自身が、追いついていたのかどうかも定かではないが、今回のコンペティションが,まだ見ぬ作家たちの未踏の領域への一歩を励ますものであることを願っている。
山村浩二
(アニメーション作家、国際アニメーションフィルム協会日本支部理事、東京藝術大学教授)
今回は、異分野の映像の専門家の方々とのディスカッションで、自分自身普段と違う脳の部分を刺激された。一次選考に残った作品は、それぞれ手法やバックグラウンド、ジャンルも全く違っていて、これほど幅広い作品を審査するのも初めての経験だった。欲を言えば国際コンペテシヨンとしてのクオリティーに達していないと感じる作品も多く、公募の広がりと質の向上については今後に期待をしたいと思う。けれど最終的に賞に選ばれた映像は、いずれも映像としての力をもった物ばかりだと思う。
2日間の審議のなか、議論は、作品の持つ批評力についてと、いままでの「作品」と呼ばれる構成では括りきれない幅を探していたと思う。映像は意識的にも無意識的にも世界の表情を捉える。世界への意味付け、もしくは無意味性の提示。そして意味性を通り越した生々しい映像表現を見たいという欲望に答えてくれる映像との出会いへの期待が、この審査を終えてますます募ってきた。