野村誠(1968年、名古屋生まれ)は、作曲と演奏という音楽が基本的に持っているフォーマットを様々なかたちで展開し、その可能性を押し広げる。野村幸弘(1961年、京都生まれ)との共同制作である映像作品シリーズは、すべて「〜の音楽」というタイトルが付けられ、様々な場所で野村誠が即興演奏する様子をみることができる。映像の中には、場所が持っている特別な力と音楽そのものの力が共振し、共鳴する確かな瞬間があるだろう。とりわけ《ズーラシアの音楽》は、動物園という特別な場所で、動物たちと音楽的交感を遂行する野村誠の姿が収められている。このとき、動物たちは聴取者であると同時に演奏者であり、音を規定すると同時に解放する特殊な位置を占めている。この「動物」という存在は、作り手と受け手が不分明な現代の「映像」において特権的な被写体であると言えるだろう。
Photo:MUSIC OF ZOORASIA,2005(p1)
Photo:KiokuKeizo (p2)










