1999年から、レバノンの現代史についての架空のアーカイヴをつくりあげるアトラス・グループを主宰。記録の集積体であるアーカイヴという形式を使って、故国レバノンで起きた出来事を作品にしてきた。それらは、詩的かつ残酷に物語を紡ぎ、観客に複雑な現実の問題に触れさせる。その結果、歴史を伝えていくことの可能性と同時に限界を私たちに突きつける。《ただ泣くことができたら》(2002)は、レバノンのスパイが撮影した映像が、まるで美しいベイルートの夕闇のビーチに彼が心を奪われていたようにも見える。
Courtesy of Walid Raad and Paula Cooper Gallery, New York (p1-2)












